恋に落ちた、この瞬間。
そう言って、俺と同じように、シンクに背を預ける。


手伝うって言われても……。 まおは“お客さん”だからな。


「何かある?」


「んー……」


辺りを見回して、探してみる。

まだ電子レンジは回っているから無理だな。



「サラダでも持っていって」


「うん!」



サラダ位ならまおにも持てるだろう。

冷蔵庫からサラダを取り出して、まおに渡してやる。


「これ運んでおいて。

運び終わったら座っていていいから」


「手伝うよ?」


「あと少しで電子レンジも鳴るからいいよ、座ってな。
……… 体調、良くないんだろ?」


まおが邪魔ってわけじゃないけど……。 なんかなー。

どうしても“手伝わせる”って悪い気がする。


「ほら、大人しく座ってろ」


「うん……」


気に入らないのか、少し眉間にシワを寄せているよ。


しょうがないだろ?
諦めて座ってろよ。


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