恋に落ちた、この瞬間。
「えへへ…… 何でもないよ」


顔を引きつらせて笑った。


ふーん、何でもないねー。

まおのその顔を見て、一体何人のヤツが騙されるんだと思ってるんだよ。


「で、何をしているんだ?」


ウソが苦手だと大変だな。

席を立ち上がり、まおの前に立ってみた。


「………」


「……… あはっ」


なんだ、これ?
サラダがきれいに“二つ”に分かれている。


まさか…… だと思うけど、いまだに嫌いなのか?


「ピーマン、嫌いなのか?」


「違うっ! 嫌いじゃない」


ピーマンとそれ以外に分けられているサラダを見て、誰が“嫌いじゃない”なんて思うんだ!


「嫌い、なんだろ?」


「き、嫌いじゃないもん」


まだ認めないか。
だったらその“証拠”でも見せてもらおうか。


まおの対面のイスに腰を下ろした。


「じゃあ、まお。 “ピーマン”食ってみ?」


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