恋に落ちた、この瞬間。
今の俺って絶対、意地の悪い顔しているんだろうな。

机にヒジを付けて、ただジーッと、まおが食べるのを見つめる。


「嫌いじゃないんだろ?」


追い討ちをかけるように、まおを見つめる。


「そうだよ、嫌いじゃないもん」


まだ意地を張るか? もう“嫌い”って認めればいいのに。

そうしたらピーマン位、俺が食べてやるのに。


数本あるなかで、まおは小さいのを探しているっぽい。

どれも似たような大きさだて思うけど、まおにしたら重要なことらしい。


「まーおっ」


「た、食べるよっ」


食べるねー。

ちびの頃も嫌いだったと思うけど、今でも嫌いなんだな。


まおの昔と変わらないこんな姿を見ると。


「んなっ! なんでいっくん、笑うの!!」


笑いが込み上げてくる。


「アハハハッ!」


「~~~っっ」



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