恋に落ちた、この瞬間。
「えらい、えらい。 ちゃんと食ったな」


飲み込んだのを確認すると、イスから立ち上がって頭を撫でてやった。

相当嫌いなのか、飲み込んだ後も顔が歪んでいる。


「もうピーマンは食わなくていいからハンバーグ食え」


「でも……」


「ピーマンはしょうがないから、俺が食ってやるから残しとけ」


母さんが作ったからちょっと気にしているんだな。


ま、俺だってそんな悪いヤツじゃない。

嫌いなモノを最後まで食わそうなんてさせない。



「昼飯。 食い終わったら“ミルクティー”淹れてやるよ」


「本当!」


「あぁ、マジだから」


そんなに嬉しいか?
まあ、まおが喜んでくれるならいいか。



まおの事を、一つ。知ることが出来た。


まおは“ピーマン”は嫌いだけど。
“ミルクティー”は好きらしい。


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