恋に落ちた、この瞬間。
俺もバカだよな。

まおの咳が昼間より増えていたんだから、何らかの措置は出来たはずだ。


……… なのに。
寝る前には“早く寝ろよ”って…… これしか言うことが出来なかった。

たとえ“医者”じゃないとしても。 薬を飲ますとか俺には出来たんだ……。


「まお、ごめんな」


「――― んっ?」


「……… まお?」


起こしたか?

目を少し擦って(コスッテ)、目を開けた。

暗い中で何がなんだか分からないのか、ボーッとしている。


「まお?」


「………」


俺は暗いとこに目が慣れているからまおがどんな顔しているか一発で分かる。


「………」


まおは、ただ目を開いているだけで、声を出そうとしない。

これは寝ぼけているのか?


「まお、具合…… 大丈夫か?」


「………」


「まお……」


「………。

キャーーーッ!!」


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