恋に落ちた、この瞬間。
でもここで他の良い理由なんて思い付かないし。 …… 言うしか無い?


「…… 聞くか?」


「当たり前」


すっかり眠気もぶっ飛んだのか、まおの大きな瞳に捕まった。

なんだか俺ってまおのこの“大きな瞳”に弱いみたいだ。


「……… 心配だったから」


小さい声で、短く言ってみた。

でも、俺とまおのこの距離だ。


「“心配”って?」


完璧に聞こえていたー。


もうここまで来たんだ。 全部言ったっていいよな?


「寝ているのに咳が聞こえていて、心配だったんだよっ。 寝る前だって結構、咳していただろ?」


「そういうことか」


納得したか? あーもー、どうしてこんな恥ずかしい事をまおに言わなきゃいけないんだ?

体中があちーよっ。


「いっくんって優しいね…… 昔から」


「アハハ…… そりゃ、どーも」


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