恋に落ちた、この瞬間。
――― パタリ。
音を立てぬようにドアを閉め、そっと背中を預ける。
「ふぅー」
疲れた。 まおが咳をしていたからって心配しすぎたんだな。
あれくらいなら大丈夫なんだな……。
「お疲れ、樹」
「……… 母さん」
声のした方を向けば、キッチンでミネラルウォーターを飲む母さんがいた。
なんだか、イヤな予感がするが。 まさか…… とは思う。
「“仲良く”していたみたいね」
やっぱり、聞かれていたか。
どこから聞いていたか分からないけど…… 最悪だ。
「まおちゃんが“こんな”樹に甘えてくるなんてね」
“こんな”ってどんなだよ。
俺って回りからどれだけ“冷たい人間”だって思われているんだ。
まあ、まおだって最初は“警戒”してあんまり近付いて来なかったからな。
「んで、まおちゃんと何していたの?」
母さんのこの“意地の悪い顔”が、昔っから嫌いだ。
音を立てぬようにドアを閉め、そっと背中を預ける。
「ふぅー」
疲れた。 まおが咳をしていたからって心配しすぎたんだな。
あれくらいなら大丈夫なんだな……。
「お疲れ、樹」
「……… 母さん」
声のした方を向けば、キッチンでミネラルウォーターを飲む母さんがいた。
なんだか、イヤな予感がするが。 まさか…… とは思う。
「“仲良く”していたみたいね」
やっぱり、聞かれていたか。
どこから聞いていたか分からないけど…… 最悪だ。
「まおちゃんが“こんな”樹に甘えてくるなんてね」
“こんな”ってどんなだよ。
俺って回りからどれだけ“冷たい人間”だって思われているんだ。
まあ、まおだって最初は“警戒”してあんまり近付いて来なかったからな。
「んで、まおちゃんと何していたの?」
母さんのこの“意地の悪い顔”が、昔っから嫌いだ。