恋に落ちた、この瞬間。
「彼氏なんて出来るわけねーだろっ」


「わっかんないわよー。 まおちゃん、かわいいから」


かわいい、か……。 目が大きくて印象的だもんな。


『いっくん!』


大きな目で見つめられると、どうもダメなんだよな……。 犯罪的な、まおのあの大きな瞳。


「樹、ちゃーんと捕まえておかないと、まおちゃん。 どこかに行っちゃうかもよ?」


地毛の黒髪ストレート。
必ず首を傾ける。
ミルクティーが好き。

俺が知ったことを他のヤツが知るなんて……。


「早くしないと、まおちゃん。
――― 樹から本当に離れるよ」


何気無く近くにいることが出来たのは、まおと“幼なじみ”だったから。

ピーマンでいじめることが許されるのは、まおが心を許してくれているから。


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