恋に落ちた、この瞬間。
「もう時間だから、行くね」


「おー、気を付けて」


ちょっと軽いか?
だけど……、こんな感じじゃ無かったら母さんが俺とまおを心配する。


母さんと父さんには無駄な心配を掛けたくないからな。



「ほらほら行った、行った。
俺とまおはこれから“宿題”するんだから」


宿題なんて嘘。
本当はこの後の事なんて何にも考えてない。


「じゃあ二人で仲良くしてね」


「わかってるっつーの」


「じゃあ…… ね」


そんな不安そうな顔をするくらいなら、最初からまおを呼ぶなっっ。


ま、お人好しの母さんだ。
まおの話を聞いて『預かる』なんて言ってしまったんだろうな。




――― バタン。

遠く…… って言うほど遠くではないけど、玄関が閉まった。


さて、これからはまおと二人っきりだ。


何をするかな……。







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