-短編集-『泡雪』
「とりあえず、ケータイ電話の着信履歴にあった彼氏さん?みたいな方には電話しましたよ、迎えに来てくれるそうですから、それまではここで・・・」
勝手に見られたのは少々腹がたったが、仕方ない。
それより、命の恩人かもしれないわけで。
「あの、ありがとうございます。見つけてくれて」
そうお礼を告げると。
「いえ、僕じゃなくて。倒れているからと運び込んでくれたのは男性のかたでしたよ?」
「え?じゃ、その人は・・・」
「気づいたら、いなくなっていたんです」
駅員は、今朝私がすごい剣幕で「あんたが札幌に連れて行け」と言ってたころから、あの後は別の仕事をしていてもうあの場所には近寄っていなかったらしい。
だが、その運んできてくれた男性が、倒れた私に積もる雪の具合をみて、
「もう、何時間もああしていたようだ」と駅員に告げ、どたばたしているうちに、名前も聞かないうちに、見失ってしまったというのだ。
えええ・・・
勝手に見られたのは少々腹がたったが、仕方ない。
それより、命の恩人かもしれないわけで。
「あの、ありがとうございます。見つけてくれて」
そうお礼を告げると。
「いえ、僕じゃなくて。倒れているからと運び込んでくれたのは男性のかたでしたよ?」
「え?じゃ、その人は・・・」
「気づいたら、いなくなっていたんです」
駅員は、今朝私がすごい剣幕で「あんたが札幌に連れて行け」と言ってたころから、あの後は別の仕事をしていてもうあの場所には近寄っていなかったらしい。
だが、その運んできてくれた男性が、倒れた私に積もる雪の具合をみて、
「もう、何時間もああしていたようだ」と駅員に告げ、どたばたしているうちに、名前も聞かないうちに、見失ってしまったというのだ。
えええ・・・