-短編集-『泡雪』


たった、それだけのメールなのに。

私は、開封した瞬間にドクンと胸が痛み、

そのままジワジワと、

メールを消すか消さないか迷い、




結局。
たくさんのメールで埋もれていく寸前に、登録してしまう。


何してるんだろ、私。
……その前に、何してるんだ、この人は!


そんな風にして、自分がまだ忘れられないことを、相手のせいにした。


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