-短編集-『泡雪』
5
Title:無題
泰輔 21:10
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俺だって。
俺だって待ってた、
ずっと。
カンナからの連絡。
あの日、出ていってから
ずっと。
好きだったんだ。
ホントに。
だから、カンナの気持ちを大切にしたかった。
待ちたかった。
元気になれて、よかった。
俺では、そうしてあげられなかったね。
ごめん。
だけど、安心した。
悪い、わがままで。
大丸の前にいるから、
そのまま、外に出て。