-短編集-『泡雪』
とうとうクリスマスになり、

遠く離れた彼からはもう何も音沙汰もなく、

私だけがただ虚しく、彼に未練がましいメールや留守電を残し続けて。

24日も、彼に

『今日はなにしてるの?他の女と一緒なの?
…はっだから電話も、出れないってわけよね。もういい、別れる』

と、何十回目かの『別れる』を口にして留守電に残し、彼からの着信を待ったけど、



かかってきたのは、幸人からだった。



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