-短編集-『泡雪』
雪が、星のように無数で、どこまでも
どこまで走っても、
やむことなく、
ワイパーで掃われては、またぶつかる。
そして私は、
運転手のいる、一人の宇宙旅行。
『窓、開けてもいい?』
『え?寒いからちょっとだよ?あ、エアコン暑かった?』
ううん、違うの、外の空気がすいたいだけと、
私は窓を全開にした。
『わ!!やめろって!雪入ってくるぞ!』
彼が叫んだ時には、もうすでに大きな結晶がくっつきあったような雪達が、私の左肩に、
流れ込んではすぐに水滴に変わった。