-短編集-『泡雪』
3
−−やっぱり、宇宙だったみたい。
その日、私は初めて幸人とキスをして、身体を重ねた。
彼がくれた、プラチナのブレスは私の手首でさらさら揺れて、
ブレスについている雪の結晶の形をしたチャームが、何度も彼の身体の上に降り注いだ。
誘ったのは、私。
断らなかったのは、彼。
もう、こうなることは、わかっていたのに。
私が漕ぎ出した宇宙船は、きちんと無重力の世界へ、私を連れ出した。