-短編集-『泡雪』
年が明けて、一月になり。

幸人と私はカップルらしく手を繋いで、初詣に行った。

すっかり積もった雪は、神社の境内だけは踏みならされてよく溶け、

少し脇の道に入れば膝まで埋まるほど積もっていた。

『おみくじ、ひこうよ』

幸人に手をひかれて、人込みをかきわけ、

私達は二つ、おみくじを手にする。


『交換して開けてみよう?俺、ルリの読むから』



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