-短編集-『泡雪』
小さくたたまれたおみくじを、パラパラと開けていくと、
『……吉。ユキくん、吉だって』
彼の恋愛運や結婚運を、声に出して読み上げてというので、私は棒読みでそこをたどたどしく読んだ。
『今は待つとき。決して焦らず、時を待て……』
それを聞いて彼は吹き出し、はい、はいと私に向かって笑った。
『ルリはね、…三角関係に注意せよ、相手を信じ慎重に、だってさ』
私は、笑えなかった。
『……吉。ユキくん、吉だって』
彼の恋愛運や結婚運を、声に出して読み上げてというので、私は棒読みでそこをたどたどしく読んだ。
『今は待つとき。決して焦らず、時を待て……』
それを聞いて彼は吹き出し、はい、はいと私に向かって笑った。
『ルリはね、…三角関係に注意せよ、相手を信じ慎重に、だってさ』
私は、笑えなかった。