-短編集-『泡雪』
取り繕うように、幸人は
『さっ!枝に結んでいこ!!ルリは中吉だ』
と言って、キョロキョロした。
私は幸人の手をとって強く握り、
『三角…関係、じゃ、ないよ?もう、今は幸人だけ』
そう言うと彼は、
『わかってるって!俺は大丈夫、信じてるから。時を、待てますよ』
と、おどけた。
哲哉…哲哉のおみくじには、なんて書いてあったんだろう……
さっき、自分で幸人に言ったばかりなのに、
−−もうひとつの、違う三角形を、思った。
雪のない境内で知らない彼女とおみくじをひく、懐かしい彼を瞼の裏で。
『さっ!枝に結んでいこ!!ルリは中吉だ』
と言って、キョロキョロした。
私は幸人の手をとって強く握り、
『三角…関係、じゃ、ないよ?もう、今は幸人だけ』
そう言うと彼は、
『わかってるって!俺は大丈夫、信じてるから。時を、待てますよ』
と、おどけた。
哲哉…哲哉のおみくじには、なんて書いてあったんだろう……
さっき、自分で幸人に言ったばかりなのに、
−−もうひとつの、違う三角形を、思った。
雪のない境内で知らない彼女とおみくじをひく、懐かしい彼を瞼の裏で。