-短編集-『泡雪』
2
「だから、さ。・・・もうやめようぜ、どうせ喧嘩しかしないなら、俺たち一緒にいる意味ないだろう。お前だってさ、・・・いったい俺にどうしてほしいわけ?」
――もっと、好きになってほしい。
あまりに、漠然。
あまりに、恥ずかしい。
とにかく。
私は許せなかった。
この前の土曜日、嘘をついて私じゃない娘と一緒にご飯食べたこと。
その前の日曜日は、別の娘と、カラオケ。
そして、明日はまた徹夜で、マージャン。
・・・帰ってくるのは、朝だからと、当たり前のように彼はメールを作りながら。
手元の文章は、オッケーの三文字。
私、まだ、オッケーって言ってない。