-短編集-『泡雪』
彼の行い、私の言葉、
どれを思い返してみても、私に非があるとは思えない。
思いたくない・・・
私は、仲良くしたかっただけだよ・・・
彼が、自分勝手で私のこと大切にしてくれなかったんだよ・・・
でも。
彼も「平和」に暮らせないと、私に言った。
平和ってどういうこと?
平凡に暮らすって、どうしてこんなに難しいことになってしまっているのだろう?
現に今。
私はこんなすごい天気の日に、電車で4時間近くもかかる札幌の実家に
帰らざるを得なくなっていて。
ただ、やきもちを焼いただけだったのに。
彼に、ごめんって言ってほしかっただけなのに。
彼の口から出た言葉は、
「同棲なんてしなければ、よかった」
――後悔の、ことば。