-短編集-『泡雪』
「お客様、まだ電車来ないので、こちらでお待ちください!!」
遠くから、駅員が走ってきた。
誰もいないホームで、線路沿いに佇む私は、不審だったかもしれない。
もしかして、
今にも飛び込んでしまいそうなほど思いつめて見えたのかも知れない。
確かに。
飛び込んでしまいたかったから、当たらずとも遠からず。
「はあ。まだ、こないんですか・・・」
「ええ?なんですかぁ??」
風の音が強くて、相手に声が届かない。
私は、大声を張り上げる元気もなくて、
黙ってその場を離れて、ぼんやり、ふらふら、
階段を下りるために向きを変えた。
遠くから、駅員が走ってきた。
誰もいないホームで、線路沿いに佇む私は、不審だったかもしれない。
もしかして、
今にも飛び込んでしまいそうなほど思いつめて見えたのかも知れない。
確かに。
飛び込んでしまいたかったから、当たらずとも遠からず。
「はあ。まだ、こないんですか・・・」
「ええ?なんですかぁ??」
風の音が強くて、相手に声が届かない。
私は、大声を張り上げる元気もなくて、
黙ってその場を離れて、ぼんやり、ふらふら、
階段を下りるために向きを変えた。