-短編集-『泡雪』
「もしかしたら、今日はこの列車の運行は・・・」
駅員が、後ろから追いかけてきて、まだ私に話しかける。
私は、聞こえないふりをして、うつむいたまま歩く。
――どうでも、いい。
電車が来てもこなくても、どうでもいい。
来ても、乗らないかもしれない。
来なくても、彼のいる家には戻れない。
どうでもいい、今日一日がただ過ぎればいい。
どうでもいい今日一日が、ただ過ぎればいい。
どうでもいい今日一日がただ過ぎれば、いい。
同じフレーズが、句読点の位置を変えては、頭の中でこだまする。
これは、私が子どもの頃からよくする、遊び。
叱られたり、困ったり、悲しいときに、よくする・・・
駅員が、後ろから追いかけてきて、まだ私に話しかける。
私は、聞こえないふりをして、うつむいたまま歩く。
――どうでも、いい。
電車が来てもこなくても、どうでもいい。
来ても、乗らないかもしれない。
来なくても、彼のいる家には戻れない。
どうでもいい、今日一日がただ過ぎればいい。
どうでもいい今日一日が、ただ過ぎればいい。
どうでもいい今日一日がただ過ぎれば、いい。
同じフレーズが、句読点の位置を変えては、頭の中でこだまする。
これは、私が子どもの頃からよくする、遊び。
叱られたり、困ったり、悲しいときに、よくする・・・