-短編集-『泡雪』
私はさっきまで自分が持っていた切符がどこに行ってしまったもんだか、もう興味をなくしていてわからなくなっていた。
それなのに、ワタシは
「ほら、これ」
と、当たり前のように持っていて、私に渡した。
「ワタシは持ってるから、大丈夫」
心配してもいないのに、ワタシはそういってこちらをみて切符をひらひらさせながら笑った。
・・・おかしい。誰もいない。改札を抜けても、ホームに出ても、誰もいない。
間違いない、これは夢の中だ。そうに違いない。
と、思ったが、顔に吹き付ける吹雪の冷たさで、私は現実に引き戻された。
「さむーー!」
ワタシが、大きな声で叫ぶようにして言う。
私も今、言おうとしてました・・・。
それなのに、ワタシは
「ほら、これ」
と、当たり前のように持っていて、私に渡した。
「ワタシは持ってるから、大丈夫」
心配してもいないのに、ワタシはそういってこちらをみて切符をひらひらさせながら笑った。
・・・おかしい。誰もいない。改札を抜けても、ホームに出ても、誰もいない。
間違いない、これは夢の中だ。そうに違いない。
と、思ったが、顔に吹き付ける吹雪の冷たさで、私は現実に引き戻された。
「さむーー!」
ワタシが、大きな声で叫ぶようにして言う。
私も今、言おうとしてました・・・。