維新なんてクソ食らえ後始末が大変でしょ。浅木の巻
小春とサキは噂のある裏路地に入った。


一つ路地が違うと雰囲気も違って、人通りは少ない。


目つきの怖い男達もいた。


小春と視線が合うと

「姉ちゃん。何か用か」

と、凄む奴もいた。

「今日は売買している様子はないですね」

と、サキが辺りを見渡しながらいった。

みすぼらしい服を着た少女が小春の脇を通り過ぎた。


そして、彼女たち前の方で縁台に腰掛けているちょっと遊び人風の男に金を渡して、紙包みを受け取り戻ってきた。


小春とサキは目で合図した。


「サキ、あの子をつけてみてくれ。たぶんどっかの酌婦の侍女じゃないかな。私はあの男を見張ってみる」

と、小春は言った。

「お頭、無理はしないでくださいね」


サキが少女を見失わないようにつけていった。



小春が男を見ていると、今度は酌婦が彼に近づいて金と包みを交換した。


男は縁台から立つと表通りへと出た。


男は表通りで人力車に乗って走り去った。


小春は着ていた小袖を脱ぎ捨て、忍者服になるとその人力車の後を追った。


人力車は横浜まで行った。そして、大きな商人の屋敷前で止まった。
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