維新なんてクソ食らえ後始末が大変でしょ。浅木の巻
「火事だ!」

半鐘の音が道場に響いてきた。

「重爺様。火事です。あちこちで火の手が上がっています」

浅木達が表にでると、あちこちから煙りが立ち上っていた。

「奴の仕業だ」

浅木の脇に藤田が走って来て言った。

浅木の手にした木刀をみた。

「お前もこだわるな。また、そんな物で闘うのか」

浅木は藤田を睨んだ。

「これは、この間の忘れ物だ」

藤田は浅木に布に包まれたメスを軽く投げて渡した。

「奴はこの風景が一望できる所にいるんだろうな。そうして楽しむ」

そう言うと、小高い丘に視線をやった。
< 27 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop