維新なんてクソ食らえ後始末が大変でしょ。浅木の巻
その姿を小春が見つけた。

「大丈夫か。待たせたな」

浅木が小春に声をかけ、くないを投げた。くないは小春の縄を切った。

「よくここが分かったな。そのことは褒めてやろう」

氷雨がにやにやしながら浅木の方をみた。

「今更、何をしに来た」

氷雨は小太刀を抜き、二人は間合いを詰めた。

「おまえの野望はここで終わりだ」

「あさぎ誠とか言ったな。確かあさぎ色は新選組の色だがおまえは新選組にいたのか」

「ああ」

「人切り集団の新選組か。なぜ、剣を使わぬ。そんな木刀では俺は倒せんぞ」

「俺はもう人切りはしない」

「そうか。本当にそれでいいのか。なあ、どうだ俺と組まないか。そうすればもう一度いいい思いをさせてやるぞ。山崎」

「どうして、昔の名を知っている」

「この前、おれと剣を交わしたとき、小太刀の扱いに慣れていたし、さっき小春の縄を切ったくないさばき忍者にしかできまい。そういえば、新選組には山崎という忍者がいたことを思い出したのさ」

浅木は木刀を正眼に構えた。

「おまえは間違っている。自首して罪を償え」

「話しても無駄なようだな」

氷雨は腰を少し入れて瞬歩を出す用意をした。


< 30 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop