超溺愛ブラコン妹の彼氏
通話口を抑え

「どした?」って聞いたら
「私の事なら気にしないで。出かけていいょ」だって。
控え目に言う紗輝が愛しくて抱き寄せリビングのソファーに座った。

「心配すんな」

電話の相手に有無を言わせず断りを言い今日はもぅ連絡するなと切った。

「そんな風に切っちゃっていいの?」

心配げに見上げる紗輝の顔。

「今日は紗輝の看病で来たの。放り出す訳には行かないっしょ?」

「ごめんね…」

「こんな事で謝るな!」

紗輝の両頬に手を添えフニャッと数回、頬で遊んだ。
「昼飯にすっか?」

「手伝う!」

「だぁめ!俺の働く姿を見てな?なぁんてな、携帯いじって待ってな?」

「ありがとう」

キッチンに入り昼飯の準備に取りかかった。

まぁ温めるだけだけどな…




渚君の言葉に甘えて携帯を開いた。

ら、空那や実雷先輩の着信や舞桜ちゃん達のメールの履歴が一杯!?

メールを一通ずつ開いていくと

'紗輝ちゃん生きてる?'

'襲われてない!?'

'紗輝ちゃんがいないからつまらない'

'今、一緒にいる奴どんな?'

'何もされてないか?'

等々こんな感じで先生の目を盗んで打ってるようで短い文章。

でも嬉しい。
こんなに心配されて…私…幸せ者だね。

でも…条二先輩達は来てるかな…

心配になって空那にメールを送った。

昨日の事で来てなかったら…申し訳ない気持ちで押し潰されそうになる。

すると画面が切り替わり空那から電話がかかってきた。

「空那?メール見てくれた?」

「うん。アイツら来てるょ」

あんまり機嫌のよろしくない声。

「本当?出来たら話したいんだけど…駄目…だょね?」

「だぁめ!」

やはり却下だ…。

「じゃあ伝えて?今日は熱で休んでるだけって。明日は行くからって」

「…」

「空那…お願い。伝えて…下さい。これから空那のカレー食べるの。今、渚君が用意してくれてるの。空那は何食べるの?」

「…」

「空那…何か言って?」

「…」

「ごめん、キャッチ入ったから切るね…」

結局、条二先輩の話を出したら空那は黙ってしまった。
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