超溺愛ブラコン妹の彼氏
下駄箱に向かっているところ。

実雷に付きまとわれてる俺。

「んな事するか。約束したんだから」

「わかってんじゃん。それならぁいい加減、機嫌直せ!」

急に真面目モードになる実雷。

「そんな仏頂面してたら紗輝ちゃん悲しむだろ?益々溝は深まるぞ?何度も経験してんだろ?」

矢継ぎ早に飛んでくる言葉にうんざりする。

言われている事があたっているから。

紗輝ちゃんの優しさで条二の事…気になってるだけなのに…。

わかっちゃいるけど俺は独りひねくれて…

こんな想いを抱いていたら下駄箱につき1年坊主どもが既に待っていた。

「空那先輩、コンビニ寄ってもらっていいですか?ノートコピーしたいんです」
「はぁい。紗輝ちゃんの?ありがとぅ。今日、枚輝は?」

「あっ仕事で私はまた後から合流する事になってるんです」

「そっ皆揃ったから行こっか?」

「はいっ♪」

舞桜ちゃんの明るい声に…少し救われたかな?

俺もまだまだガキだょ。

紗輝ちゃんは俺の為に傷ついたのに…

紗輝ちゃんの口からアイツの名前が出るだけで嫌気がする俺。

こんなんじゃ紗輝ちゃんのした事に意味がなくなる。
確かにこんな気持ちをしてたら…またぶつかるだけ。
「空那君、アイツの事だけじゃないっしょ?家にいるヤ・ツの事も考えないといけないのわかってる?空那君が紗輝ちゃんを拒絶した事によってアイツに慰めてもらってるのは必須。堕ちてる場合じゃないぜ?だからって投げやりにだけはなるな」

ヘラヘラ実雷が今日はやけに俺に意見しやがる。

まぁ紗輝ちゃんの事があってからだけど。

俺の事を心配してくれてんだ。

広い大きな心を持たないといけないな…

だけど突然かわれねぇよ。
ロボットじゃあるまいし。
「悪ぃな、迷惑かけて」

「そんな事ないょもしかしたらぁ空那君、義理のお兄さんになるかも!?だしさっ。紗輝ちゃん大事にしないとっ。フォローは任せろ!」

怪しげに口角を上げ俺を見る、実雷。

お前には渡さねぇよ。


電車を乗り継ぎ自宅近くのコンビニに寄る。

1年坊主達がワイワイやりながらコピーをとっているのを店頭で実雷と眺める。
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