超溺愛ブラコン妹の彼氏
扉の向こう!?

渚君が訳のわからない事を言い始めた。

でも、それをきっかけに扉が開き

「バレてたかぁ、あっ紗輝ちゃん、ただいま。元気になった?」

郁斗先輩を筆頭に生徒会メンバーがズラッと入ってきた。

「ごめんね、紗輝ちゃん。空気読めなくて。空那君とは抱擁出来るようになったんだね」

郁斗先輩の言葉を聞き'はっ'となった私だけど、いち速くそれに気付いた空那が'抱かれてて'と私の耳元で囁くから…。

そのままの体制で…

「うっわ!?紗輝、この団体はなんだょ?世那がいんのに覗きが趣味とは嫌らしいじゃねぇかょ」

渚君が生徒会メンバーに毒づいた。

「世那、彼かな?君の目の上のタンコブは?」

この挑戦的な発言は郁斗先輩。

何か空気がよどんできたょ…

「紗輝ちゃんとの電話の後から世那、機嫌が悪くてね。放課後の生徒会もメチャクチャ、やりたい放題。ここに来るのも渋ってさぁ。自分の家なのにね。ほらっ世〜那、紗輝ちゃんに言う事あんだろ?早く言って仲直りしろょ!」

郁斗先輩の発言を聞き空那が私を離し

「紗輝ちゃんも。俺とも仲良くなれたんだから大丈夫。皆がついてるからっ。俺は渚と皆の飲み物用意するから、ね?」

私の瞳を捉えオデコにキスをし渚君の手を引きキッチンに向かった。

空那を追ってた目をゆっくり世那に向け視線を上にあげた。

世那の顔が私の瞳にうつるなり視界は揺らめいて…パジャマのズボンを握りしめ
「お、お帰りなさい、世那。私…あの電話の後…すっごく悲しくて。渚君に八つ当たりしたの。でも、そんな私を嫌がらずじっと耐えてくれたの。だから私─」
世那を見ていたはずの視界は真っ暗になり心地よい懐かしい香りに包まれた。

「ごめん、ごめん紗輝ちゃん。俺が悪かった。優しい言葉をかけてあげたかったのに、あんな事いっちゃうし…。かなり後悔したんだ。傍にいられないもどかしさで心にもない事言って…」

言い終わると少し抱きしめる力が強くなった。

でも私は世那の背中に手を回す事が出来ないでいた。
何の動作のない私に気付いた世那が少し距離をとり顔を覗かれた。

「紗輝ちゃん…もぅ俺の事は抱き締めてもらえない?



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