超溺愛ブラコン妹の彼氏
その言葉に食いついてきたのは私だけじゃなかった。

「紗輝は誰にも渡しませんから。俺フってないし。紗輝の事好きだから」

みー君の発言。

「紗輝ちゃん聞いた?彼にフラれてないみたいだょ?」

「でも…さっき答えてくれなかったもん」

「それは、恥ずかしくて答えられなかったんじゃない?」

「未稀椰先輩だったら言ってくれますか?」

「勿論。好きな子前にしたら頭真っ白だし、あんな言葉言ってくれたらグッときて大好きっていうょ」

「ですょね?今言ったって遅いもん。どんな場面でも言ってもらいたい。だから私…お兄達がいてくれれば充分」

「紗輝ちゃんの未来に俺はいない?」

「握手はします。でも…俺様で…いじめられそう」

「そんな事しないょ?取り敢えず握手はしてもらえる?」

ゆっくりと差し出した手にスルリと絡み握手した。

それを見つめる目を上に上げ未稀椰先輩の顔を見つめた。

「よかったぁ、これで紗輝ちゃんと友達になれたって事だょね!?」
聞かれた表情が可愛くて…戸惑ってしまった。

「もぅ私の事嫌わないですか?」
「うん」

「ランチに私が混ざっても怒らないですか?」

「うん」

えぇぇん、えぇえん−

「世那〜未稀椰先輩優しすぎて可笑しいょ」

「そぅだねぇ。皆、紗輝ちゃん大好き〜な奴ばっかりなんだょ、ここにいるのは。未稀椰の優しさがわかったでしょ?みー君の恥ずかしさもわかったでしょ?どっちに行きたい?」

「どっちにも行けない。世那は向こうに行きたい?」

リビングの方を指差した。

「うん、だから紗輝ちゃんをみー君に託すからね」

っておぃ!?

行かないでょぉ…

みー君より世那がいい。

何だかんだ言って世那…私の事放り出したな…

「紗輝」

うん?みー君?

「俺フってなぇよ。もぅ紗輝意外の女は受付ねぇから」

って優しく包まれた。

「嫌!さっき何も言ってくれなかったくせに。触らないで!」

その手を振りほどいた。

「こっぱずかしくて言えねえだけだょ。俺がどんだけ紗輝を好きだと思う?兄貴達に触れられるのもヤなんだょ!紗輝に触れていいのは俺だけでいたい」
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