超溺愛ブラコン妹の彼氏
こんなになっても相手を責めないのかょ?

時には、その優しさ…罪だな…

「紗輝ちゃん…みー君と何があった?こんなになってもアイツをかばうなら教えて?」

震える紗輝ちゃんの手を握りしめながら問うた。

「そんなの今はいいじゃん。それより空那君は皆のとこ戻らないとだょ?」

「俺が無理矢理ヤろうとしたんだょ」

この発言に皆の視線は声のした方に注がれた。

「違う!みー君は悪く…ない。私の…身体を…消毒してくれようとした…だけ」

「みー君、紗輝ちゃんとヤらせる為に2人っきりにさせた訳じゃないんだけど?」

「ベッドがあるんだしヤりたくなるのが男だろ!?」

俺の手に包まれている紗輝ちゃんの手の震えが酷くなった。

「空那君、紗輝ちゃんの事、頼むね。みー君と皆のとこ戻るから」
数秒後、背後で扉が閉まる音がした。

震えが続く手を見つめ

「みー君をあんなにさせたのも…紗輝ちゃんをこんなにさせたのも…俺だな」

「違う!空那は悪くない!私がネチネチ思いすぎてるだけ。ごめんね?気をきかせてくれたのに…」
当事者の紗輝ちゃんを困らせる兄貴って…

だらしねぇな。

俺の手から抜けようと動く紗輝ちゃんの手。

訳がわからず戸惑いその光景をみていた。

「空那、私の事はいいから皆のとこ行って?疲れて寝ちゃったとか言えば平気でしょ?」

そんな強気な発言しちゃって。

掛け布団を捲ってみると小刻みに震える手があった。

その手を再びにぎり

「こんな紗輝ちゃんを1人に出来ない。それに、ここは俺の部屋だしね」

頬に持っていきいとおしさを噛み締めた。

「ずっと、こうしてるから。俺の事考えながら寝な?明日から行くんでしょ?学校」

「うん。お休みのキスして?」

「俺でいいの?」

一瞬ビクッとし震えが酷くなった?

みるみるうちに紗輝ちゃんの瞳にたまっていく涙。

再び手が離れていき掛け布団をかぶってしまった。

「も…いい…ヒック。出て…って…ヒック」

「ごめん…」

布団の上からギュッと抱き締めた。

「震える原因つくったの俺だから。震えとまるまで傍にいるから。ごめん…」

嗚咽がとまらない…
< 436 / 509 >

この作品をシェア

pagetop