続・天使が舞い降りた。
「ほら、前に潤一くんファンだって言ってたから」
「あ、ああ! はい」
誤魔化す為にそういうことにしたんだっけ。
俺は慌てて笑顔を作った。
「あ、そういえば俊介くんもさっき…」
「俊介?」
「仕事で近くまで来たからって、これ差し入れに」
監督が笑顔でお菓子の紙包みを見せる。
「凛ちゃんはまだいるんじゃない? 楽屋の方にさっきまでいたし」
「あ、じゃあ後でちょっと挨拶してきます」
2人の名前に俺は少しだけ動揺する。
また不安な気持ちがあふれ出しそうになる。
俺は監督の打ち合わせを終えて、楽屋の方へ足を伸ばすことにした。