続・天使が舞い降りた。
家路を急ぐ人たちの中を俺たちも肩を並べて歩く。
花火大会の後の帰り道って昔から何だか切ない。
「あっという間だよね。何だか寂しいな」
「…ですよね。私も同じこと考えてた」
「みんなそう思ってるんだろうな」
「ね。また1人きりの家に帰るんだって思ったら悲しくなります」
冗談ぽく笑う凛。
「そっか、凛ちゃん家お母さん夜仕事なんだっけ」
凛の家は母子家庭で、母親は夜の仕事をしているって言ってたっけ。
「…じゃあさ、あと少しだけ花火大会してく?」
「えっ?」
俺の思いつきの発言に凛はキョトンとしている。
「花火買って2人で勝手に花火大会!」
「いいな、それ」