チョコレート・キス
第二章 恋するヲトメ
雨宮神社へ続く階段を昇りかけて、はたと隣をふよふよと浮いていた利真の光が弱まっていることに気がついて、あたしは足を止めた。
心なし、つらそうな顔を彼女はしていて。
「あなた悪い感じはしないから、入れるかなぁって思ったんだけど。しんどい?」
「うーん、たぶんあたしすごく幽霊の素質がないみたいで、今にも引っ張られて消えちゃいそうになっちゃうんだよ、こういう清らかな場所?みたいなとこに来ると」
「そっかごめんね。じゃあ場所変えよっか。
それにうちにきたら、楓に見つかっちゃうしなぁ、ちょうどいいや」