チョコレート・キス
「ねぇ楓ってだれ?氷沙の彼氏?」
「違うわよ!……そんなんじゃなくて、ただの同居人」
「なーんだ、でも氷沙は好きなんでしょ?」
「なんでそうなるのよっ」
だって、と悪気なく笑って利真はあたしを見た。
「ヴァレンタインなって、大嫌いなんて台詞、好きな人が居なかったらでてこないよぉ。そんでその人に脈がないって分かっちゃったときだけ」
「……恋人探し、手伝わないよ」
「あ、やだやだ!うそだって、氷沙!氷沙かわいいからきっと大丈夫だよっ」