チョコレート・キス
あたしが始めて辰馬と出逢ったのはね、雪の降る日だったんだよ。
あたしたちの始まりも終わりも、いつだって真っ白な雪があるの。
そう利真は言った。
辰馬は本当にあたしのことを大切にしてくれて、でもあたしの勘違いで喧嘩しちゃって、あの日よく確認しないで道路に飛び出しちゃったから。
だから辰馬に会いたいの。
大好きだったって言いたいの。
嫌いだなんて勢いで言っちゃっただけなんだって、気にしないでって、そう言いたいの。