チョコレート・キス
第一章 史上最悪のヴァレンタインの幕開け
珍しく東京に雪が舞い降りた、ヴァレンタインの夜。
あたしは死んだ。
たくさんの後悔を、思いを抱えたまま……。
ねぇ、愛してるよ。嫌いだなんて、嘘だよ。
大好きだよ。また触りたいよ、隣にいたいよ、キスしたい。抱きしめて欲しい。
もっともっと、ずっと一緒にいたかった。
最後が喧嘩して終わりだなんて、そんなのひどすぎる。
だってそんなんじゃ、あなたもあたしも、おわりになんて、できないじゃない。
* * *