チョコレート・キス

利真の言葉が脳裏をよぎる。
そうだよね、利真はもうそれができないんだ。

ずっと一緒にいたい、それだけで。それだけがひどく大切なことなのに。


「利真は、あたしが助けるんだから」

楓と、波樹から逃げるようにあたしはそう決意した。

利真の思いをつなげることができたなら、もう一度。
あたしと楓と波樹と、三人で穏やかに笑い会えるような、あの楽園に戻れるような気がしていた。








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