チョコレート・キス

楓はいつもどこか消えてしまいそうな雰囲気があって。
あたしはそれがすごく怖くて。

でも言えなかった。


でも、楓が。

(そっか、来年も居てくれるんだ。来年も楽しみにしてくれるんだ)


嬉しくて。
どんなのにしようかななんて考えながら、その夜久しぶりにあたしは幸せな眠りに落ちた。

来年の今頃かぁ、あたしは高校生だね。
楓と同じところになっちゃんと一緒に通うんだ。
何してるんだろ。大人っぽくなってるかな。


楓の隣に立っていられるようになってるのかな。





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