現実俺様彼氏。
お昼を終えて、私たちはオフィスに戻った。
あれから透が戻ってきて聞いたけど、なんでもないよ、って交わされた。
…すごく気になっちゃう。
「鷹島くん」
いま私を呼んだのは誰?
全然聞いたことがない声だったから、キョロキョロしながらその人を探した。
「僕だよ、東條」
…東條さん?
あの最低な東條さんの声?!
穏やかで優しい感じのする声の正体が東條さん?!
色気のあるような意地悪な声をする東條さん?!
って、私なにを考えているんだろう。
そして、呼ばれたその甘い声に不覚にもドキッとした。