現実俺様彼氏。
「何逃げてんだよ」
顔をあげると、息を切らした東條さんがいた。
「女一人じゃ危ないだろうが」
東條さんは微笑みながら私の手をとって立ち上がらせた。
「…」
「それに待ってやってたのに、帰るなんざ失礼極まりない奴だな」
そう言いながら東條さんは閉ボタンを押した。
「すいません…、でも恥ずかしくて耐えられませんでしたっ!!」
私は涙が零れそうになるのを耐えながら、必死に東條さんに訴えた。
「ッ…、」
東條さんは顔を背けた。
「…東條さん?」
そう呼びかけると、東條さんが迫ってきて私の背中がピタリと壁にくっついた。
「え?!」