現実俺様彼氏。




「鷹島くん、早くおいで」




「え?…はい!!」




サッと東條さんのところへ走った。




外のひんやりとした空気が、私の火照った頬をちょっとだけ冷やした。




「ちゃっちゃとついて来いよ」




「だって、女性の方に声かけられてたじゃないですか」




「それがどうしたんだ」




「みんなの前では鷹島くんなんですね」




「まあな」




「しかも優しいんですね!!」




私にばっか意地悪だし、口悪いし…




「そうだな、お前にばっかり意地悪してるかもな」




「!!」




「なに、無意識に言ってたか?」




東條さんについてきてたどり着いたのは、ちょっと離れた所にある駐車場だった。




「遅いから送ってってやるよ」




東條さんは助手席のドアを開けていった。




「えっ、いいです!終電なわけじゃないし!」




「いいから、乗るんだ」




むりくり東條さんに助手席に押し込まれた。




…いい匂いする。男の人なのに車の中キレイだな。




< 39 / 90 >

この作品をシェア

pagetop