現実俺様彼氏。
「鷹島くん、早くおいで」
「え?…はい!!」
サッと東條さんのところへ走った。
外のひんやりとした空気が、私の火照った頬をちょっとだけ冷やした。
「ちゃっちゃとついて来いよ」
「だって、女性の方に声かけられてたじゃないですか」
「それがどうしたんだ」
「みんなの前では鷹島くんなんですね」
「まあな」
「しかも優しいんですね!!」
私にばっか意地悪だし、口悪いし…
「そうだな、お前にばっかり意地悪してるかもな」
「!!」
「なに、無意識に言ってたか?」
東條さんについてきてたどり着いたのは、ちょっと離れた所にある駐車場だった。
「遅いから送ってってやるよ」
東條さんは助手席のドアを開けていった。
「えっ、いいです!終電なわけじゃないし!」
「いいから、乗るんだ」
むりくり東條さんに助手席に押し込まれた。
…いい匂いする。男の人なのに車の中キレイだな。