現実俺様彼氏。
「新入社員の皆さん、どうぞこちらへ」
さっきの女性が私たち新入社員を案内した。
ホールの扉を開くと数は多くないが、凛々しい先輩たちがいた。
「新入社員のみんな、各部署毎にテーブルにかけてくれ」
え、この人カッコいい…。
眼鏡をかけ、真ん中にスラッと鼻筋が通っており、容姿端麗な男性が私の真向かえに座っていた。
「ちょっと胡桃!」
「あ、ごめん。」
「見惚れすぎだよ?」
透がからかうように私のほっぺをツンっと押した。
あまり大きくない中ぐらいの丸いテーブルだったから、聞こえていたかもしれないと思うとなんだか恥ずかしかった。
チロッとその男性を見ると、こっちを見て笑みを浮かべいた。
えっ、聞こえてた?!