現実俺様彼氏。
「お前の家は?」
「マンションです!」
「…アホ、住所は」
「すいません!ここから3駅分離れてる所です」
「とりあえず走らせるから近くなったら、右とか左とか言ってくれ」
「すいません、送っていただいて…」
「謝るな」
「はい…」
タイミング悪く信号が赤になった。
「それよりお前は寒くないのか?」
「え?」
「足出してるから冷えるんじゃないのか」
確かにひんやりとする…。
「暖かくなるから、これでもかけて待ってろ」
東條さんは着ていたスーツの上着を私の膝に置いた。
「でも、東條さんが寒くなっちゃいませんか?」
「男はちょっと寒い方が丁度いい」
東條さんって意地悪だけど優しいんだな。
信号が青に変わってまた車は走り出した。