現実俺様彼氏。
「東條さん」
「鷹島くんすまない、目眩がしてしまったみたいだ。なんだ、君沢くん」
私に被さるような体勢に見えたら困るから、東條さんは嘘をついて応じた。
「部長が呼んでました、探して来いと言われて」
「分かった、ありがとう」
「いえ、」
「鷹島くん、頼んだよ。」
「はっ、はい!!」
「胡桃ちゃん大丈夫?顔赤いけど?」
君沢くんは私をからかうように言った。
「東條さんがそうさせたのは悔しいけど、胡桃ちゃん可愛いね。」
君沢くんはそう言って去っていった。
…私はドキドキが止まらなかった。
このドキドキはときめきではなくて、
君沢くんが私の気持ちを見透かしている、
何かがバレてしまったというような、そんな感じのドキドキだ。