Diary/ダイアリー
英理はパスタをくるくるしてた手をとめた。

「まだ、引きずっているの?」


「うん…。誰と会ってもだれといても、いつも成海君を思い出す。ばかだよね…今更どうなるってわけでもないのに。
私…いい加減忘れないと、彼氏できないよね…」


英理は考えこんで、

「ねぇ、成海君にその気持ち伝えてみたら?」

と高校の頃と同じ事をいった。

「それは…できないよ…彼女とか、もしかしたら結婚してパパになってたり?そういうの知りたくないし、見たくないし…だから、私、忘れる。
時間かかるかもしれないけど、忘れる。
ちゃんと恋したいしね。
ただ、どうやって忘れたらいいもんだか…」


「美緒にはさぁ…自分から別れたっていう心残りがあるから忘れられないんだよ」

「そうだよね…」


「そうそう、美緒。
私、結婚する」


「えぇ!!!

だ、誰と???」


「山野…」


「や、山野ってあの中学一緒だった山ちゃん?あのボウズ頭の??」

「あぁ…そうそう」


「えぇ!だって英理と山ちゃんって全然接点ないじゃん!なんで?」

「いやいや、なんか…その…偶然?うちの店に山野が客できてさ。懐かしいね〜から始まって。。」

いつも冷静でク−ルな英理が耳まで真っ赤だ。

ちょっと意外。

英理はスレンダーで背が高く、一見冷たそうないわゆるク−ルビューティって感じ。一方山ちゃんは…背が引くポチャっとしたお笑い系…。。。


この二人がまさかね〜!

「英理、今幸せ?」

「うん。山野って見かけによらず、ガッツがあって私を引っ張ってくれるんだ。こんな人、始めてでさ…。」

「英理…おめでとう」

「ありがとう。
美緒…あんたも早く忘れて新しい恋しなよ…」

「うん…」
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