ロリコン♂と鈍感♀
少し落ち着いた心臓も部屋の前に立つとまたドキドキしてきた。
や、やっぱり今日はやめとこうかな…。
でもでも!
誤解して落ち込んでたら可哀想だし。
いつかは言わなきゃいけないんだし。
やっぱり今言わなきゃっ。
コンコン
ドアを開けると慶の姿は見えなかった。
布団が膨らんでる。
そこにいるのかな?
「慶?」
「りか!?」
布団から顔を出した慶は、はてないっぱいの顔をしていた。
「何どした?」
やっぱり最初は謝っとこう。
さっき逃げちゃったし。
「慶…。ごめんね」
「ごめん…。出てって」
「え…」
『出てって』?
何で…。
あたしいけないことした?
逃げたから?
出てってなんて初めて言われた…。
嫌い?
嫌いになった?
「うぇーん!慶に嫌われたぁー!」
慶に嫌われたら生きていけないよー。