双子悪魔のホームステイ



「ち、ちょっと、あんた達……兄弟ゲンカなんかしてる場合じゃないでしょ!」


敵であるはずのティディもさすがにこれには面食らって、諭すように割って入った。

二人に気を取られるあまり、結祢を拘束する手の力が緩む。



「うるせえな。外野は黙ってやがれ!防護魔法、連続リフレクトスライム!」


クレイは早口に叱りつけると、幾つものスライムを自分と結祢の周りに出現させた。



「伏せるんだ、結祢ちゃん!攻撃魔法、スピンアクス!」


「えっ……きゃっ!?」


結祢は反射的にしゃがみ込んだ。

ディザスが放った回転する十本の斧は、まるでピンボールのようにクレイの周りのスライムと結祢の周りのスライムに何度も何度も弾き返される。


そして、最終的には……



「……っ!やって……くれるじゃないの……。」


十本の内の一本が、ティディの右肩にザシュと十センチほどの深い傷を負わせた。
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