双子悪魔のホームステイ



「ティ、ティディさん……。だ、大丈夫ですか……?」


拘束がほとんど無くなり逃げ出せる状態になったというのに、結祢は逃げずにティディのケガを心配する。

ティディは左手で右肩を抑え、痛みに顔を歪めていた。



「もう……この子ったら……。あたしは……っ……敵よ?敵の心配するなんて……甘すぎるわ……。」


左手の指の間から鮮血がじわじわと滲み出していたが、ティディは結祢には精一杯笑ってみせた。



「観念しろ、死神!そのケガじゃ、俺達と戦うことも結祢ちゃんを攫うこともできないだろ!」


「結祢を引き渡してすぐに立ち去れば、今回だけは見逃してやるぜ?」


ディザスとクレイはピシャリと言いながら、大蛇矛を掲げる。
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