双子悪魔のホームステイ



「ティディさん……」


「わかってるわ。あたしだって、バカじゃないもの……。今日のところは……うっ……引き上げさせてもらうわ。」


ティディは高度を下げて、結祢を地面に降ろす。

そして、身を案じる結祢の背中をグイッと押して、ディザスとクレイの方に行かせた。



「この借りは……近い内に返すわ。またね……結祢、双子……っ……ちゃん。」


ティディはくるりと漆黒のコートを翻し、フッとその場から姿を消す。

後には、赤黒い染みが地面に点々と残っているだけだった。



「大丈夫、結祢ちゃん?」


ぼうっと空を見上げて立ち尽くしていた結祢に、ディザスが尋ねる。
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